九州大学大学院 地球社会統合科学府

[国立]

大学院紹介
基本情報
カリキュラム

カリキュラム

メインコース+サブコースで専門性の深化を図る

本学府では、地球社会の課題を大きく6つの対象領域にまとめ、教育の基礎的な枠組みとなる「コース」を編成しています。
修士課程では、専門分野とするメインコースのほかに、サブコースの履修を必須としています。サブコースを履修することにより地球社会への視野を広げるとともに、相互に連関する地球社会の諸問題の解決に向けた学際的な研究を実施するための基礎力を養います。共通科目(必修)として、「地球社会統合科学」「地球社会フィールド調査法」「外国語ライティング」「チュートリアル」「個別研究指導」を配置。基礎科目、専門科目において実習や演習を交えながら、各コースの主題に即した実践力や専門性を身につけます。また、学生は自分の研究を指導する教員を多様な分野から少なくとも3名選択し、指導教員団を構成。幅広い観点からの研究をめざします。
博士課程では、修士課程で身につけた学際的な素養を基盤に、専門性のより一層の深化を重視。学生は各自の専門領域の研究プロジェクトを推進します。

6コース編成

包括的地球科学コース

地球46億年の軌跡を包括的に科学する

地球誕生から45.6億年が経過し、私たちが見る山や谷は様々な地質から構成されています。その半径6400kmの小さな地球にも、まだまだ解明されていない事柄がたくさん眠っています。本コースでは、その“痕跡”の発見をめざし、「地球進化」「生命進化」「環境変動」を研究の骨格にすえたフィールドワークを国内外で行っています。徒歩や車による調査だけでなく、掘削船による海底ボーリングやスノーモービルとヘリコプターを使った極地調査などを実施。国内や海外のフィールドで実際に地球を観察し、世界屈指の最先端精密分析装置を用いてデータを収集。得られた解析結果を仲間や教員とディスカッションし、自らの発見を科学誌に残すことをめざしています。
■修了後の進路
本コースでの研究・教育過程を修了した人は、大学の地球科学教室の教員や研究員、産業技術総合研究所の研究員など、専門分野へ進出しています。また、一般企業に就職し、培った語学力やフィールドマネージメント能力を遺憾なく発揮して活躍する人もいます。そのほか、小・中学校の教員として若き地球科学者の卵を育成する道を選ぶことも可能です。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_1.php

 

包括的生物環境科学コース

生物多様性、環境をキーワードに新しい環境科学を追究

「生物多様性科学・生物インベントリー科学」「文化生態学」「熱帯雨林環境保全学」「環境政策学」をテーマに、多様な分野を包括的に研究することにより、緊急の課題である地球環境問題の解決と新しい環境科学の追究に取り組んでいます。研究教育にあたっては、生物学、地理学、政治学など幅広い分野の基礎知識や理論を学べる機会を提供。環境と人間のかかわりも含め、多角的な視野をもって問題をとらえます。また、本コースは、現場主義と対象へのこだわりを重視しています。フィールドに足を運び、自ら対象をじっくり観察することによって問題発見力、想像力、洞察力を養います。
■修了後の進路
修了生の中には大学や企業、独立行政法人の研究施設などで研究職に就いた人もいます。生物哲学に関わるような問題から、環境政策の実現可能性や地球環境の未来像を構想する問題解決型の研究まで、生物多様性と環境、環境と人類から広がる多彩な興味を育みながら、自立したオリジナリティのある研究者を育成したいと考えています。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_2.php

 

国際協調・安全構築コース

公正で持続可能な社会の実現に貢献する

地球社会の安全という観点から、公正で持続可能な社会の実現に寄与できる研究教育を行います。例えば、ある新興国の産業を発展させ、豊かで平等な社会を建設するという目標を考えた場合、経済学や経営学のほか、政治や福祉のあり方、歴史や文化にまで言及し学ぶ必要があります。本コースでは、フィールド調査、歴史資料の探索、多様な理論や哲学、思想に親しむなど複合的な手法を用いて現代社会が抱える問題について深く掘り下げます。研究教育にあたっては、チュートリアル制度やポートフォリオシステム(研究の進展状況をオンラインで管理するシステム)などにより学生を力強くサポートしています。
■修了後の進路
修了生の進路は多岐にわたっています。研究を続け、国公立大学、私立大学の研究・教育職に就いた修了生も多数います。留学生を中心に外国の大学に勤務する者も少なくありません。国家公務員、地方公務員などの官公庁、ならびにビジネスの世界で、統合的学際性に基づく「問題解決型アプローチ」を生かし活躍する先輩も数多くいます。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_3.php

社会的多様性共存コース

互恵的共存の基盤となる社会的多様性を考える

私たちが暮らすこの世界は、地域、地方、国家といったレベルから経済圏、文化圏、地球社会のレベルまで、様々なレベルから成り立っています。社会的多様性とは、こうした様々なレベルの社会を構成する人々や集団の間にあるジェンダー、セクシャリティ、人種、エスニシティ、文化、宗教、階級、年齢などを指します。本コースでは、社会学、文化人類学、経済学(経済史・経営史)、政治思想・ジェンダー研究などの学問分野を足がかりに、個別の学問の枠を超えた様々な研究教育に取り組みます。社会をより深く、より精緻に、より説得的な視角で理解しながら、社会的多様性が対立・抗争・差別などではなく、互恵的な共存の基盤となりうる理論と未来構想を描きます。現場感覚と共感能力を育むため、フィールド調査なども取り入れています。
■修了後の進路
博士学位取得者のほとんどが国内外の大学で教員あるいは研究員として活躍しています。また、修士修了者のみならず博士修了者も含めて数多くの人が、高度専門職業人として金融・商業・貿易・工業・教育・公務員など、いろいろな産業分野に就職して活躍しています。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_4.php

言語・メディア・コミュニケーションコース

コミュニケーションの可能性を探る〜言語・文学からマンガ・アニメまで〜

研究対象は、言語を媒介とする日常的なコミュニケーションから詩や文章(散文)、小説、映画、マンガ、アニメ、ドラマといった分野にまで及びます。コースは主に「言語」と「文芸」の分野で構成。言語コミュニケーション・言語教育分野では、文献調査はもちろん、実践的な教室活動観察などのフィールド調査、アンケート調査等の調査手法を用います。文芸分野では、古典から近現代にいたる文芸・文学作品はもちろん、古文書等の様々なテキストの講読と資料の収集・分析などを行います。特にコース教育において複数の教員で担当する総合演習は、言語・文学についての考察や、多様なメディア(映画、写真、マンガ、アニメ等)によるコミュニケーションのプロセスを学際的に解明。混迷を深めつつある現状に対し、コミュニケーションの新しい可能性の提示を試みます。
■修了後の進路
修了者の多くは、国内外の大学、高等学校、日本語学校、国際交流基金、国内の大手企業や海外の日系企業などに就職して活躍しています。言語・メディアを通して、自分の関心に即したさまざまな領域の研究に触れることにより、将来の自分にとって必要となるコミュニケーションのスキルを習得してもらいたいと思っています。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_5.php

包括的東アジア・日本研究コース

東アジアを包括的に研究し、人類社会の未来を考える

東アジアの歴史・環境を包括的に究明し、人類社会の未来を構想することを目標としています。具体的には、「総合人類史研究」「前近代・現代史研究」「現代社会の多角的研究」「自然環境の包括的研究」といった大きな枠組みのもと、儒教・中国仏教・漢字文化・穀食文化などの共通基盤を有する東アジアの歴史や環境を日本列島からの視点を主軸に、時代や文理の区分を超えて総体的に考えます。基本的にフィールド調査を重視し、日本国内だけでなく、海外調査も行います。また、論文や発表の構想力とディベート力を培う総合演習などを行います。
■修了後の進路
これまでの卒業生は、大学をはじめとする研究機関の教員や研究員、各県市町村教育委員会などに勤務しています。また、アジアで活躍する民間企業などに就職し、本学で学んだ知識と経験を生かして世界各地で活躍しています。
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school6_6.php


本学の入試情報はこちらから
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/admissions/
本学の大学院案内(PDF)はこちらから
https://isgs.kyushu-u.ac.jp/graduate_school/graduate_school11.php