筑波大学大学院 人間総合科学研究科 人間系

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人間総合科学研究科
人間系専攻
原田悦子教授
ダイバーシティとユニバーサリティ(多様性の尊重に基づく普遍性の追究):時代と社会を見つめて「人を中心とした共生人間科学」を追究する

CLOSE UP! 教員インタビュー

人間総合科学研究科 人間系専攻

ダイバーシティとユニバーサリティ
(多様性の尊重に基づく普遍性の追究):
時代と社会を見つめて「人を中心とした共生人間科学」を追究する

心理学専攻長 (人間系 教授)
原田悦子教授

教育学博士。筑波大学第2学群人間学類卒、大学院心理学研究科を修了後、(株)日本アイビーエム東京基礎研究所 (認知工学)、法政大学社会学部を経て現職。認知心理学・認知科学を基盤に、現在の主たる興味は「人にとってのモノの使いやすさ」「認知的加齢とは何か」他。

 

筑波大学の人間系専攻というのは、人間総合科学研究科に所属する一つの専攻ですか?

少々わかりにくくて、申し訳ありません(笑)。人間総合科学研究科は本学の特徴的な研究科ですが、人間の心身・活動に関わる広い領域の研究すべてを集めた巨大かつ総合的な研究科です。院生は計1,500人、教員スタッフもおよそ700名います。その中には医学・看護領域から、体育科学、芸術まで含まれています。まさに複合的な大研究科です。通常の研究・教育は専攻ごとの活動が主となりますが、FD研修会やイベントなどでは専攻を越えて研究科全体で活動がなされています。
この巨大な研究科はいくつかの「関係性の深い研究領域ごとのサブグループ」に分かれており、その一つが人間系専攻です。人間系専攻は、筑波大学の前身・東京教育大学当時の教育学系の系譜を引き継ぐ人間科学、とくに教育学、心理学、障害科学に基づく8専攻を指します。これらの専攻での教育に当たる教員は、ほぼ全員が人間系と呼ばれる教員組織のメンバーであることから、こうした呼び名がつけられています。
個々の専攻についてもいろいろ特徴がありますが、こうして専攻が集まってグループになっていることも、本学ならではの大きな特長ではないかと思います。

 

それでは、人間系専攻では、どういった領域の研究がおこなわれているのでしょうか?

専攻は原則として、学問領域(ディシプリン)をベースに作られています。
教育学関係の博士後期課程には、教育哲学や教育社会学などの教育の基礎を研究する教育基礎学専攻、数学科、国語科など科目ごとの教育方法やその課程を研究する学校教育学専攻に分かれています(博士前期課程は教育学専攻として共通)。
心理専攻(博士前期課程)は科学として人の心・行動に迫る心理基礎コース、および支援を必要とする人に対する心理学的支援の知識・技能も併せて学ぶ心理臨床コースがあります。博士後期課程では、心理基礎コースに対応する博士後期課程が心理学専攻、心理臨床コースに対応する領域はヒューマンケア科学専攻に分かれています。その他に、感性認知脳科学専攻には、ニューロサイエンスの立場から神経行動科学関係の研究をする心理学研究室があります(ヒューマンケア科学専攻、感性認知脳科学専攻は、グループとしては学際系専攻に含まれます)。
障害科学専攻(博士前期・後期課程)では、視覚障害・聴覚障害などの感覚障害系から発達障害まで、さまざまな障害について科学的根拠に裏打ちされた支援・教育について研究されています。
いずれの専攻も、人間に関する幅広い領域の研究に携わることができます。詳細は各専攻の紹介をご覧ください。

 

非常にたくさん、研究領域があるのですね。人間系専攻での研究を全体でまとめるとどういうものなのでしょうか?

今、私たちも、これからの大学院改革をめざして、人間系専攻を、全体として一つの形で表現できないだろうか、という議論を進めています。人間系全体として目指しているのは、共生人間科学であると考えています。多様な人が共にいきていける環境・社会を形作るための基礎科学です。
特に何人かの同僚たちとは、そこで鍵となるのが、ダイバーシティ(多様性)の理解と尊重、その上での「そこにあるユニバーサリティ(普遍性)」の解明を同時に実現していくことではないだろうかと話しています。抽象的ですが、人間科学では、「人はこうだ!」という一つの答を求めるのではなく、そこでみえてくる人の多様性を正しく把握し、尊重していくことが、共生社会の実現に必要だということです。
人のダイバーシティには、神経科学のレベルでも、一人の発達過程にも、また様々なレベルでの文化や環境からの影響も存在します。こうした人独特の多層的な複雑さについて、科学として追究し、そこから「人の多様性を尊重した形で、人-人、人-社会の関係性を築き、維持していける社会を造っていくこと」に貢献できる人材を育成していきたいと考えています。

 

なるほど。それでは、これから筑波大学の大学院は大きく変わっていくということでしょうか。人間系専攻のこれからについて、お聞かせください。

はい、まずごく近い将来、現在の研究科・専攻という大学院の組織を、学位プログラム、すなわち「各大学院生が、どのような学位をどのように取得していくのか」をわかりやすくまとめた形の組織へと変更していく計画があります。「研究領域の名前だけでなく、何ができるようになるのかがわかるように」という改革ですね。個々の学位プログラムを明らかにしていくことによって、逆に他の学位プログラムとの関係性が明確に見えてきます。そこで、学位プログラム間の壁を低くして、いろいろな学位プログラムで相互交流をし、より課題解決的な学習環境を総合的に構築していきたいと考えています。人間系でも5つ程度の学位プログラムができる予定ですが、その中で、ダイバーシティ科学に基づく共生人間科学を実現していきたいと思っています。それ以外にも、新しい学位プログラムが提案されていきますので、どうかご期待ください!


人間系専攻募集要項はこちらから
http://www.ap-graduate.tsukuba.ac.jp/course/chs/