田園調布学園大学大学院

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人間学研究科
子ども人間学専攻
佐伯胖教授
人間の原点としての幼児の能力を発見し、新たな教育観と具体的な保育実践を見いだす
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CLOSE UP! 教員インタビュー

人間学研究科 子ども人間学専攻

人間の原点としての幼児の能力を発見し、新たな教育観と具体的な保育実践を見いだす

人間学研究科
子ども人間学専攻
佐伯胖教授

慶應義塾大学工学部卒業後、ワシントン大学大学院修了。東京理科大学、東京大学大学院教育学研究科教授、青山学院大学文学部教授、同社会情報学部教授を経て現職。認知科学の立場から子どもの学びを研究。担当科目は、子ども人間学総論、学び学特論など。

多様な視点から幼児を理解し、実践しながら課題を解決できる専門家を育成

「子ども人間学」で学べること、また、子ども人間学専攻が育成をめざす「省察的実践家」について教えていただけますか。

従来は、乳幼児は能力的に未発達な段階にあり、教育学も発達論を中心に考えられてきました。ところが近年、乳幼児研究は大きく進んでおり、人間は生まれたときから優れた認知能力を持っていることが次々と明らかになってきました。そして、乳幼児を知ることが、人間そのものを理解するために、非常に重要な原点になることもわかってきたのです。
「子ども人間学」は、このような認知科学的な知見をもとに、幼児教育という視点を、人間を照らし出すためのサーチライトとしながら、人間の真の姿を発見していこうという学問です。そのために、本専攻では、アートやことば、発達心理学をはじめ、哲学や文学、政治、自然など、多様な観点から幼児や幼児教育を捉える科目を設定しています。
同時に重視しているのは、学術的な勉強にとどまらず、その考察から常に自らの実践を振り返り、次なる実践に活用できる専門家「省察的実践家」を育成することです。
つまり、本専攻では、「子どもとは何か」「そもそも人間とは?」といった原点に立ち返ることによって、従来の専門知識や教育技能に頼るのではなく、新しい課題にも自ら考えて対応できる専門家の育成を大きな目的としているのです。

佐伯先生の「学び学特論」では、人間学としての「学習」について学んでいる。

幼児の可能性、人間のすばらしさへの気づきから、新しい教育観を創造

子ども人間学専攻の学び方の特色とは?また、科目やカリキュラムの設定などにおいて留意されたことはなんでしょうか。

例えば、美術教育というと、とかく子どもに絵を上手に描かせる技術が重視されがちです。しかし近年では、幼児期から生活にアートを取り入れるなど、より広い視野に立った教育の効果が注目されています。実際にイタリアのある町では、幼児が摘んできた花を食卓に飾ったり、置き方を工夫したりするなど、アートにおもしろく関われるような試みを町ぐるみで行っています。また、「人間学概論」の一連の授業では、舞踊や文学、自然などのテーマから人間の本質を探ります。このような発見は、これまでにない新しい教育の創造につながっていくでしょう。
大切なのは、単に哲学や美術といった領域に入り込んで学ぶのではなく、その観点から幼児を捉え直そうという姿勢です。また、発達障害など障害児教育に関しても、細かい診断基準や対症療法のみにしばられず、もっと子ども一人ひとりの優れた面に目を向けることが重要です。
本専攻は、このような国内外の最新の幼児研究に精通した教員が多く在籍しているのも大きな特徴です。新しい観点から、実践に生かせる多くのヒントを得ることができるであろうと期待しています。

グローバル社会で求められるのは、正解がない問題に答える力を付ける教育

これからの社会に求められる教育とは?また、その実現のために、どのような人材の育成をめざしているのでしょうか。

ここで注目していただきたいのは、人間の原点である乳幼児の心理や学習能力における新しい発見は、企業の職場教育など組織や社会のあらゆる場面にも広く役立てることができるということです。
世界に目を向けると、一つの問題に一つの解答を求めるのではなく、複数の答えが考えられる問題や、正解がない問題にいかに答えるかを問うような新しい学力観が重要視されています。グローバル化が進む中、いつまでも一つの正解だけを求める教育にとどまっていては、国際社会やビジネスの世界で生かせる力を付けることは難しいでしょう。つまり、昨今の想定できない問題を解決していくためにも、これまでの教育学や人材育成の延長ではない、新しい教育を発想・実践できる人材が求められているのです。
実際に現在、本専攻には、学部卒業生や保育・幼稚園の関係者だけではなく、広く子どもやこれからの教育について学びたいという一般企業の方も在籍しています。授業の一つひとつが、立場の違う院生が、同じテーマで学び合う貴重な場にもなっています。

「従来の教育の延長ではなく、革新的な実践性を生み出したい」と熱く語る佐伯教授。

「現在の仕事を問い直したい」「成長をしたい」人に広く門戸を開放

どのような目的を持った方に学んでほしいと考えていらっしゃいますか。

本専攻では、学部卒業生から社会人まで、広く門戸を開いています。特に社会人としてある程度の技能をもって仕事をしてきた方で、ご自身の仕事や生き方を問い直したいと思っている方、もうワンステップ成長をしたいという方におすすめしたいですね。保育や幼児教育の分野はもちろん、一般企業で教育や人に関わる仕事をしている方、これからリーダー的役割を果たしていこうという方にも、ぜひ学んでいただきたいカリキュラムになっています。
現代社会では、教育をめぐってさまざまな課題が錯綜しています。日々の仕事や、これからの方向性について悩みや迷いが尽きないという方も多いかと思います。そのような時代だからこそ、幼児の潜在能力の高さ、人間のすばらしさを理解したうえで、単に「させる」「やらせる」のではなく、楽しみながら子どもとともに成長できるような教育者が必要とされているのです。
ぜひ本専攻で、常に「人間とは何か」という原点に立ち返りながら、閉塞的になりがちな思考を柔軟にし、課題解決の突破口を見いだせるような専門家・実践家をめざしていただきたいと思います。