臨床心理系大学院ってなに?

近年、急速に人気が高まっているのが心理系の大学院だ。その数も増えている。少年犯罪から大人のストレスまで、心の問題が一般化する中、カウンセラーやセラピストの活躍の場も広がっており、需要も増えている。
こうしたカウンセラーになるための最有力資格が(財)日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士で、臨床心理士の資格を取得するには、同協会が指定する大学院を修了するのが基本ルートとなっており、また、大学院修了がほぼ必須であることが増設の理由なのである。

2003年5月時点で指定校は104大学院あり、第1種と第2種に分かれ、第1種指定校は修了と同時に、第2種指定校は修了後1年以上の臨床経験で受験資格が得られる。
合格するには専門英語や心理学の基礎知識も必須で、それなりの準備がいる。人気が高いだけにかなりの難関。通信制大学院も多く、社会人でも仕事を続けながら学ぶことはできるが、勉強は厳しく相当の覚悟は必要だ。大学院を修了、一次試験で70%前後の合格率の臨床心理士試験にも無事合格したとしても、フルタイムの安定した仕事に就ける人は限られている。さらに5年ごとに資格の更新も必要だ。また、カウンセラーは、医師や弁護士のように資格を持たない者はその業務をしてはならないという“業務独占“の権利がないことも注意が必要。
それでも、企業や医療機関、教育の場で心の専門家の必要性は今後ますます高まっていくと予想される。その際、臨床心理士は有効な資格になることは間違いない。