学院進学ガイド大学院の種類

大学院は、主に学部を卒業した後、さらに専門的な研究を行い、研究者を養成する一般の大学院と、専門的な職業人養成を目的とした専門職大学院に大別されます。専門職大学院には、法曹養成に特化した教育を行う法科大学院や、高度な専門性と実践力を身につけたスクールリーダーの養成を行う教職大学院などがあります。そのほか、運営方法や講義方法によっても、特徴のある形態があります。

学びのタイプは大きくわけて2つ

専門分野の学びを深める一般の大学院

大学院は、学部で培った知識を基盤として、より高度かつ専門的な研究を行う場です。一般的には、大学卒業後に、さらに特定分野の専門性を深めたいと考える人が研究を目的に進学します。研究に必要な高度な研究能力と、それを支える学問的基礎を養成しています。修了後に企業に就職する人もいれば、そのまま大学院に残って研究者をめざす人もいます。


実務能力を磨くための専門職大学院

専門 職大学院は、科学技術の進展や社会・経済のグローバル化に伴い、社会的・国際的に活躍できる高度な専門知識やスキルを持った人材のニーズの高まりに対応するため、高度専門職業人の養成に特化した課程として、2003年度に創設されました。少人数教育を基本としており、双方向で行われる討論や質疑応答、事例研究、現地調査等により実践的な教育を行うことを特徴にしています。学生の数は年々増加しています(※1)。中でも社会人に人気なのがビジネス・MOT分野の大学院で、入学者の9割を占めています(※2)。

※1 出典:学校基本統計(学校基本調査報告書)
※2 出典:文部科学省 専門職大学院制度の概要(令和6年12月)

例えばこんな専門職大学院があります

ビジネス・MOT・・・経営戦略、組織行動、ファイナンス、マーケティング、技術・生産管理、情報システム等の科目により、経営分野のリーダーを養成。なお、MOT(技術経営)は、経営に技術的内容を融合した分野。
会計・・・企業や行政機関等の会計並びに監査の担い手として、様々な専門知識や能力、ITへの対応力、論理的かつ倫理的な判断力などを備えた会計のプロフェッショナルを養成。修了者は、公認会計士試験の一部科目が免除される。
○公共政策・・・公共政策に関する総合的な能力(課題発見、分析・評価、立案等)を有する人材を育成。各種公務員試験の免除等はない。
○公衆衛生・・・健康の保持・増進、疾病の予防等に関して指導的役割を果たす人材を養成。
知的財産・・・知的財産の創造、保護、活用を支える人材を養成。修了者は、弁理士試験の科目が一部免除される。
臨床心理・・・人間の心の問題への専門的援助ができる人材を養成。修了者は、臨床心理士資格試験の科目が一部免除される。
法曹養成 (法科大学院)・・・専ら法曹養成(裁判官、検察官、弁護士)のための教育を行うことを目的とした専門職大学院。
教員養成 (教職大学院)・・・教員養成に特化した専門職大学院。実践的な指導力・展開力を備えた新人教員と、スクールリーダー(中核的・指導的な役割を担う教員)の養成。
※その他、情報、原子力など、多様な分野がある。

運営や学び方が異なる大学院

独立大学院・独立研究科

独立大学院は、学部組織を持たずに、大学院だけで構成されている大学院大学のこと。大学・学部の枠を超えて多様な教員、学生を集め、交流することによって、多様な学術研究の発展に的確に対応することを目的に設立されています。
また、独立研究科は、学部組織を持たない研究科のことで、複数の学部が共同で運営しています。高度な専門知識を持った研究者が集まるため、幅広い研究や先端分野の研究を推進することができます 。

連合大学院

連合大学院は、複数の大学が協力して教育研究を行う大学院のこと。 中心となる一大学(基幹大学)に連合研究科を設置し、基幹大学以外の大学(参加校)は連合研究科の教育研究に協力する仕組みになっています。参加する各々の大学が蓄積している実績を生かせることに加え、複数大学から幅広い分野を専門とする教員が研究に参加しているため、分野を超えて水準の高い教育研究を行うことができます 。

通信制大学院

通信制大学院は、自宅学習を中心として、場所や時間にとらわれずに学習を進められる大学院です。希望する大学院が自宅や職場から通学圏内にない場合や、勤務環境や勤務時間の制約により日常的な通学が難しい社会人に多く利用されています。学校教育法に定められた正規の教育機関であり、必要な単位を修得すれば通学制大学院と同じ学位が取得できます。

授業は、印刷教材等による授業、放送授業、面接授業(スクーリング)、メディアを利用して行う授業の4つがあります。各大学院は、科目の内容を考慮し、これら授業の方法をそれぞれ効果的に組み合わせて実施しています。

通信 指導では、受講科目の課題に対してレポートを作成して提出します。スクーリングとは学生の休暇を利用した面接指導のことで、週末や夏季休暇など、年間を通して1週間程度行われます。近年は、インターネットによる、e-ラーニングと呼ばれるメディア授業が行われている大学院も増えています。また、e-ラーニングにより、スクーリング(面接指導)なしに修了できる大学院もあります。

例えば、文部科学省・総務省所管の下、放送大学学園により設置・運営されている「放送大学大学院 」は、インターネットなどを利用して自宅や好きな場所で学習できます。修士課程は、7つのプログラムを設けています。

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