研究科・専攻
神学研究科
宗教の学術的分析を基軸に知的洞察力と広い視野を養う
【博士課程（前・後期課程）】神学専攻
本学神学部・神学研究科は日本で最も長い歴史を持つ神学の研究・教育機関です。宗教は「救済」の提供において個人の内面世界と密接に関わりますが、世界の言語・文化・社会・歴史とも影響を及ぼし合ってきました。神学研究科では宗教を研究対象として、私たちの生きる意味と世界の目指すべき方向を探求します。人類が作り上げ蓄積してきた、生きるための知恵である宗教を批判的・学際的に分析することを通じて、幅広い人間理解と深い知的洞察力を身に付けることができます。
文学研究科
複雑化し、混迷する現代社会、人間と文化の根源を探求する
【博士課程（前・後期課程）】哲学専攻／英文学・英語学専攻／文化史学専攻／国文学専攻／美学芸術学専攻
同志社大学大学院文学研究科は、学制改編に伴う新制大学院の設置とともに1950年に開設されました。文学研究科には現在、哲学、英文学･英語学、文化史学、国文学、美学芸術学の5専攻が置かれています。各専攻には、博士課程（前期課程）と博士課程（後期課程）がそれぞれ設置されています。本研究科は、「キリスト教主義・自由主義・国際主義に基づく人間形成を根本的な教育理念として、人文学の高度な理論及び応用を教授研究し、その深奥を究めて文化の進展に寄与すること」を基底に置き、博士課程（前期課程）では、研究・教育職並びに高度に専門的な業務に必要な研究能力及び豊かな学識を養うことを、博士課程（後期課程）では、広い視野に立つ精深な学識と高度な研究能力を涵養することを目的としています。これらの理念、目的を十分に踏まえた本研究科の目標と使命は、人間及びその言語･文化活動の全体を根源的、体系的に捉え、それらについての厳密かつ真摯な研究･教育を通じて、質的変化の激しい現代社会においても人間と文化の本質を洞察して新たな時代を切り開ける有能な人物を世に送り出すことです。同志社大学が掲げる国際主義の伝統を活かし、海外の一流研究機関との連携を進めながら、広く世界で活躍できる研究者･高度専門職業人の育成に努めてまいります。
社会学研究科
変動する社会と人間のあり方を専門的かつ人間的視点から究明する
【博士課程（前・後期課程）】社会福祉学専攻／メディア学専攻／教育文化学専攻／社会学専攻／産業関係学専攻
今、人間のあり方が大きく変わろうとしています。例えばグローバリゼーションと情報化、地域対立やテロ、仕事の疎外と失業、少子・高齢化と家族システムの揺らぎ、あるいは次世代の教育・人間形成のあり方の変化など、大きな社会変動によって人間のあり方が根本的な影響を受けています。これらの社会変動に対応しつつ、人間にまつわる社会問題を解明するために、社会科学の人間化あるいは人間の視点から社会変動をトータルに究明する社会科学が求められています。また、社会を構成する諸活動の内的な構造特性に応じて体系化しつつ、それぞれの専門的対応が迫られています。こうした要請に応えて、 2005年4月に従来の文学研究科から独立し、生活福祉の問題、社会の自己認識としてのマスメディア過程、人間形成における文化と教育の課題、人間と社会の諸関係、産業活動における人間関係などを人間的視点から究明する社会学研究科が発足しました。社会学研究科は、人間主義的な社会科学の一大拠点を目指します。
法学研究科
リーガルマインドと法学・政治学的知識を身に付けた、多彩な人材を育成する
【博士課程（前・後期課程）】政治学専攻／私法学専攻／公法学専攻
21世紀の社会は、法曹以外にも、法律や政治に関する高度の専門的素養を備えた人材を必要としています。例えば、司法書士や税理士、弁理士などの各種の資格試験合格者、公務員、民間企業法務セクションのスタッフ、国際機関の職員などです。こうした社会のニーズに応えるため、法学研究科博士前期課程では、多様なキャリア設計に対応する充実した教育体制を整えて、リーガルマインドとバランス感覚を兼ね備えたプロフェッショナルを養成しています。また、博士後期課程を経て、研究者として活躍する人材も輩出しています。
経済学研究科
専門知識と分析力、応用力を備えた経世済民に貢献し得る人物を育てる
【博士課程（前期課程）】理論経済学専攻／応用経済学専攻
【博士課程（後期課程）】経済政策専攻
同志社大学大学院経済学研究科は、同志社における教育理念である“キリスト教主義”“自由主義” “ 国際主義”の下、最新の学問と、歴史の中で培われてきた伝統と文化をバックボーンに、現代社会に求められる能力を養成するインキュベータとしての社会的機能を担っています。ここでいう能力とは、新しい学術的発見を生み出す力、新しいビジネスモデルを提案する力、新しい社会システムを提唱する力、新しい政策プログラムを構築する力であり、これらのクリエイティブな能力こそが、21世紀の国際競争力の源泉となり、グローバル経済を支える力となります。グローバル化が進む社会において、専門的能力だけでなく、経済・社会環境の変化に対して的確に対応できる能力、語学力を含めた国際感覚を有したグローバリスト＆スペシャリストの重要性はますます高まってきています。本経済学研究科は、研究者の養成はもちろん、計量分析能力、数理分析能力、歴史分析能力、政策分析能力、文化マネジメント能力、環境マネジメント能力を有し、社会の中で政策立案者や専門職業人などにもなり得る人物を養成します。
商学研究科
激変する不確実な産業社会を分析し、現実の諸問題に対処する能力を養う
【博士課程（前・後期課程）】商学専攻
国際化、情報化の進展は、従来の経済システムの急速な変容を促し、新たなビジネスモデルを生み出しています。本研究科では、激変する不確実な産業社会を、高度な専門的知識を持って精緻に分析し、変化する経済環境から生じる諸問題に対処していくことができる人材の育成を目指しています。本研究科には、博士課程の前期課程と後期課程が設置されています。学部での教育課程で「ビジネスについての基礎的な専門知識を持つとともに幅広い見識を持った」学生を育成していますが、さらに自らの興味を抱いたテーマについて深く研究したいという学生の要求に応えてきました。
総合政策科学研究科
高度な専門能力を備えた新時代のゼネラリストを育てる
【博士課程（前・後期課程）】総合政策科学専攻
総合政策科学研究科は、科学技術の著しい進歩や地球規模の環境問題の発生、グローバル化の急速な展開などに伴って、多様化・複雑化した現代社会の諸問題に対応できる「高度な専門知識と総合的な問題解決能力を備えた人材」を育成することを目的とした、21世紀の新時代の要請に応える大学院です。総合政策科学専攻博士課程（前期課程）では、専門職業人として、政府、企業、NPO、NGOなどの各分野で活躍できるように、政策研究や社会革新のために必要となる能力の向上を念頭に置いた研究・教育体系を充実させています。総合政策科学専攻博士課程（後期課程）では、高度な専門知識・能力を身に付けた上で、それらの知識・能力を総合化・体系化できる研究者や高度専門職業人の養成を目指しています。また、官公庁や企業、NPOなどにおいて実務を経験されてきた人たちに対して、高度な実務経験や研究成果を理論化するための研究の機会を提供することも、本研究科の大きな目的です。本研究科博士前期課程からの進学者以外にも、国内外の大学院修了者を積極的に受け入れ、修士課程を修了していない社会人にも、修士論文に代わるような研究業績を有している方には門戸を開放しています。このような目的を達成するため、本研究科総合政策科学専攻では、前期課程では政策研究コースとソーシャル・イノベーションコースを設置しており、受講生はそれぞれの研究テーマに合わせて入学時にコースを選択できます。後期課程ではコース分けはありません。
文化情報学研究科
4つの重点分野で文化にデータサイエンスの光をあてる
【博士課程（前・後期課程）】文化情報学専攻
現代社会は、目覚ましいデータサイエンス技術の発展により、物質的な豊かさを享受してきました。しかしながら、真に豊かな社会を築いていくためには、データサイエンスの手法ばかりではなく、人間と人間の営みそのものに向けられることが重要になりました。このような現代社会の要請を受けて、文化情報学研究科では、多様な専門知識と技術を持つ教員と学生が集い、文化にデータサイエンスの光をあてるような教育研究を行っています。人々の営みである文化を、単に直感や経験則によってではなく、データサイエンス技術を用いて分析・解析します。これにより、新しい文化理解の方法論を構築し、文化のより良い伝承と、時代の要請に応える文化の創出に、データサイエンス的な見地から事実を探っていきます。
理工学研究科
深い学識と高度な専門知識を持つ人材、自立した研究活動を行える人材を輩出する
【博士課程（前・後期課程）】情報工学専攻／電気電子工学専攻／機械工学専攻／応用化学専攻／数理環境科学専攻
理工学研究科は情報工学、電気電子工学、機械工学、応用化学、数理環境科学の5専攻から構成され、博士課程（前期課程）及び博士課程（後期課程）が設置されています。前期課程では、専門性が求められる職業に従事できる人材、後期課程では、自立して研究活動を行うことができる人材の育成を目指しています。また、英語で講義が行われる「国際科学技術コース」の科目を履修できるなど、よりグローバルな人材育成の可能性が広がりました。さらに、理工学研究科は文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」に採択された「グローバル・リソース・マネジメント」の基幹研究科となっており、文理融合の知識を修得することも可能です。
生命医科学研究科
工学と医学の融合領域で社会に役立つ新技術の創出を目指す
【博士課程（前・後期課程）】医工学・医情報学専攻／医生命システム専攻
生命医科学研究科では、工学と医学を基盤とした“ 生命医科学領域”における先端研究を通して、高度かつ総合的な研究能力を涵養し、生命現象や科学技術に対する深い洞察力と俯瞰的視野を身に付けた人材の育成を目的としています。生命科学から工学技術に及ぶ、専門的かつ領域横断的な教育課程における学びによって、“ヒト（あるいは人類）”の未来を切り開いていく高度な専門性を有する技術者・研究者の養成を行っています。
スポーツ健康科学研究科
スポーツがもたらす健康と科学を幅広く研究する
【博士課程（前・後期課程）】スポーツ健康科学専攻
現代社会では、健康寿命の延伸の基盤となる健康の重要性の認識が高まり、スポーツはアスリートがその頂点を争う競技スポーツだけではなく、一般の人々が健康のために楽しむスポーツまで幅広い領域にわたるものとして広く受け入れられています。これらの社会的ニーズを受け、本学では総合応用科学であるスポーツ健康科学の体系的な大学学部教育の上に、スポーツ健康科学に関するより高度な専門知識と卓越した理論を修得した専門家を養成するため、スポーツ健康科学研究科として大学院博士課程前期課程及び後期課程を設置しています。本研究科では、基盤となる「トレーニング科学」、「健康科学」、「スポーツ社会学」の３つの分野を基軸に、スポーツ健康科学に関連する基礎学問領域に関する深い知識と、実験・研究によって得られる新しい知見の獲得を目指します。さらに、多様化しつつあるスポーツ健康科学を解明するために、生命医科学や理工学領域及び工学技術の知識の導入を目指し、隣接研究科との積極的な連携を推進し、高度な専門知識を有し、健康の維持増進とスポーツの発展に関わる多様な領域で社会に寄与・貢献し、活躍できる人物を輩出します。
心理学研究科
科学的見地から人間の本質や行動原理を深く理解することを目指す
【博士課程（前・後期課程）】心理学専攻
本研究科では、学術研究の高度化と優れた研究者養成、教育研究を通した社会貢献と国際貢献、高度専門職業人の養成の3つを目標に掲げ、人間行動の基礎にある心理学的な機能を理解するため、実験心理学的アプローチをベースとした教育と研究を行ってきました。心理学コースでは、心理学の高度な専門知識や研究能力を習得します。また、学外の研究機関や企業の施設などで研修を行い、そこで発見した課題に基づいた研究計画の立案や、心理学的見地から企画提案など、実践的トレーニングも行っています。臨床心理学コースでは、臨床心理学の知識の充実とともに、心理臨床センターや学外実習を通じた実践的な技能を習得します。単なる実践にとどまらない、高いレベルの研究能力を備えた科学的実践家の養成を目的としています。なお、2018年度からは、公認心理師（国家資格）の受験資格に対応したカリキュラムを運用しています。
グローバル・スタディーズ研究科
グローバルな課題に向き合い、人類が共生していく仕組みを構築する
【博士課程（前・後期課程）】グローバル・スタディーズ専攻
今日においては、これまでグローバルに共有されてきた価値や制度が多くの危機に直面しています。また、経済的、社会的格差は、今やいかなる社会でも大きな問題となっています。このような状況に対処していくためには、単一の学問体系だけでは十分ではなく、様々なアプローチを総合した新たな視点からの研究が強く求められています。本研究科は、アメリカ研究、現代アジア研究、グローバル社会研究という３つのクラスターから構成され、地域研究として世界中の広範なエリアをカバーしています。また、ジェンダー、人種差別、格差、平和的共生、地球環境などのグローバルな研究には、地域横断的、学際的なアプローチで、クラスターの枠を超えて学修する場も提供しています。本研究科は、グローバルな視野と高い問題意識を持ち、論理的かつ問題解決のための実践的能力を身に付けた、高度職業人、教育者、研究者を育成することを目指しています。
脳科学研究科
オーダーメイド教育で鍛えた実力が次世代の脳科学研究を支えていく
【一貫制博士課程】発達加齢脳専攻
脳のはたらきを明らかにすることは自然科学と精神科学にとっての最重要課題であり、その研究成果は、神経・精神疾患の予防と治療や教育方法の改善につながることが期待できます。脳科学研究科では、チュートリアル型授業や実験実習を通じて研究立案能力、思索力、コミュニケーション力などを多面的に鍛え、この分野を牽引する研究者を養成することを目指しています。脳科学研究の第一線で国際的に活躍している8部門の主任教授が指導にあたり、少数精鋭、オーダーメイドの教育を行います。
司法研究科（法科大学院）
自主的に考え、行動することのできる「自治自立」の精神を持った法曹を養成する
【専門職学位課程】法務専攻
司法制度改革の一環として2004年4月、全国一斉に法科大学院が誕生し、同志社大学も新司法試験、司法修習と連携した基幹的な高度専門教育機関として、21世紀のわが国社会において、司法に期待される役割を十全に果たすための人的基盤の一翼を担う人材を養成するため、法科大学院を開設しました。修了生は、弁護士、裁判官、検察官や法律専門職として様々な分野で活躍しています。
ビジネス研究科（ビジネススクール）
優れたビジネスリーダーの養成を目指す国際認証校
【専門職学位課程】ビジネス専攻
同志社ビジネススクール（DBS）では、ビジネススクールとしての基本は踏まえつつも、サステナビリティ時代の要請に応える、世界的にもユニークなMBAプログラムを、歴史ある京都の地から、日本語・英語で展開しています。 同志社ビジネススクールには、主にわが国の社会人向けに日本語での授業を行う「ビジネス専攻」と英語での講義により主に世界各国からの外国人学生を受け入れる「グローバル経営研究専攻」の2つが設置されています。教育の特色は、同志社大学の建学の精神である「良心教育」に立脚し、また「京都」を意識したビジネス教育であることです。「京都」は、長寿企業、サステナブル企業の集積地として、世界的に突出した、きわめてユニークな文化を持つ都市です。そして「良心」や「京都」は、現在グローバル社会の希求するサステナビリティや人間の尊厳を重視する経営につながります。同志社ビジネススクールでは、ただ単に優れたビジネススキルの取得だけではなく、より良い社会を作る「責任」感を持ち、「イノベーション」を起こす、優れた「リーダーシップ」をラーニング・ゴールとして掲げて教育を行っています。上に述べた同志社ビジネススクールの特色は、カリキュラムにも反映され、特にビジネス専攻では、「中小企業経営」と「イノベーション」を、グローバル経営研究専攻では、「サステナビリティ」「文化と創造性」「アジアのビジネス」を特徴とする科目群が、その他の様々な先進的な科目とともに用意されています。
