研究科・専攻
修士課程
医学および関連領域の広い視野に立った
学識を持つ人材育成を目的としたカリキュラム編成
必修科目は、医療現場における問題点をみつめ、基礎医学および社会医学領域を広くカバーし、自らの知識および思考過程を的確に表現する能力を養成し、研究目的に応じて戦略展開するための方法論を深く理解します。研究指導科目では、各研究室において方法論の原理理解を基礎に、正確な実験手技を獲得、科学的な実験デザインなど着実な研究遂行能力を獲得します。
実験結果の解釈については丁寧な指導を行い、修士論文のための研究に関しても指導教員とそのほかの教職員が研究内容について批判と助言を与えます。
医科学専攻
先端医科学
修士課程修了者の進路として、博士課程への進学、または公的研究機関や企業の研究所などで研究に携わる職業に就くことを望む場合に、最先端の医学の現状を正しく捉え、新たな研究開発に取り組む基礎的な能力を身に付けることが極めて重要です。本専攻分野においては、ゲノム医科学、遺伝子治療科学、再生移植医科学、構造機能生命科学、脳神経医科学、生体防御医科学、基礎腫瘍医科学、比較動物医科学、理工・医連携科学、光生体解析学、メディカルシミュレーション学および神経遺伝学を専攻科に置き、これらが開講する授業を履修しつつ、主専攻については特に深く演習をおさめることで、最先端の医科学を担う人材を育成します。
総合医療科学
地域包括ケアの確立を主眼とし、基礎、臨床、社会医学のすべてを統括して編成した国際医療学、発達医科学、生活習慣病態医科学、皮膚結合組織病態学、形成再生医科学、内科系総合医科学および科学社会学を専攻科に置いています。これらが開講する授業を履修しつつ、主専攻については特に深く演習をおさめることで、疾病の予防・健康の増進・福祉の向上に関わる医療スタッフ・研究者の養成、医療行政に携わる研究者・指導者の育成をめざします。
臨床連携科学
発達臨床心理学、臨床薬理学、臨床ゲノム創薬科学、環境・ストレス医科学、治験・臨床試験学、臨床腫瘍医学、緩和医療学、PCIT International認定セラピスト養成学、代謝栄養学および遺伝カウンセラー養成コースの専攻科で構成されています。これらは、医療において重要な部分を占めながら、医師のみの力ではその特性を十分に発揮することができない領域です。心理学、薬理学、栄養学、農学、工学、理学などに関する基礎的知識を持った学生が、医学的教育を受け、主専攻については特に深く演習をおさめることで、専門性を持ちつつも連携のとれた医療を実施できる人材を育成します。
専攻 | 専攻分野 | 専攻科 |
---|---|---|
医科学 | 先端医科学 | ゲノム医科学、遺伝子治療科学、再生移植医科学、構造機能生命科学、脳神経医科学、生体防御医科学、基礎腫瘍医科学、比較動物医科学、理工・医連携科学、光生体解析学、メディカルシミュレーション学、神経遺伝学 |
総合医療科学 | 国際医療学、発達医科学、生活習慣病態医科学、皮膚結合組織病態学、形成再生医科学、内科系総合医科学、科学社会学 | |
臨床連携科学 | 発達臨床心理学、臨床薬理学、臨床ゲノム創薬科学、環境・ストレス医科学、治験・臨床試験学、臨床腫瘍医学、緩和医療学、PCIT International認定セラピスト養成学、代謝栄養学、遺伝カウンセラー養成コース |
博士課程
医学専門分野の先端的な研究成果を含めた学識と、
深い洞察力を有する人材育成を目的としたカリキュラム編成
専攻分野では、演習科目および研究科目を設け、自律した研究活動の基礎となる学識を修得します。医学研究の水準の維持発展を図る高度な研究能力、研究テーマの設定や問題解決への方法論および実験デザイン、科学的な根拠にもとづく結果の解釈を自律して行える能力を養成し、さらに、他分野の研究者との学際的なコミュニケーションを図り、新たな学問分野の創設を展望できる視野を得ることも重視しています。
研究成果の発表技法、研究費の獲得についても、自律して取り組める能力を獲得させ、博士論文のための研究に関しても指導教員とそのほかの教職員が研究内容について批判と助言を与えます。
地域医療学系専攻
地域医療学系は、地域における医学の発展、医療の充実に寄与し、地域住民の健康の向上に貢献するため、医学・医療およびその関連領域の学術の理論と応用を研究し、自立した研究者・教育者としての能力を養うことを目的として13の専攻分野で構成されています。
《13の専攻分野》
地域医療学
総合医学
循環器・呼吸器疾患学
消化器疾患学
病態機能外科学
内分泌代謝疾患・病態解析学
血液・免疫疾患学
精神・神経・筋骨格疾患学
生殖・発達医学
腎尿路疾患学
皮膚・感覚器疾患学
麻酔・救急・集中治療医学
腫瘍医学
地域医療学・臨床医学に関連する領域の講義、演習、実習を履修するとともに、特定の研究課題について、生活習慣病、日常病を対象に、臨床疫学・行動科学・医療科学の手法を用いて、地域医療・総合医療(プライマリケア、総合診療、医療面接、外来医療、家庭医療、地域医療、在宅医療、終末期医療、医療福祉、医療評価、医療経済、医療人類学など)の質の向上に資する研究能力とその基礎となる学識を身に付けます。内科系疾患ならびに外科系疾患(循環器・呼吸器疾患学、消化器疾患学、病態機能外科疾患学、内分泌代謝・病態解析疾患学、血液・免疫疾患学、精神・神経・筋骨格疾患学、生殖・発達医学、腎尿路疾患学、皮膚・感覚器疾患学、麻酔・救急・集中治療医学および腫瘍医学)の成因の解明と診断・治療・予防法の開発に関する臨床的ならびに基礎的研究を行うに必要な高度の研究能力、真摯な研究態度、その基礎となる豊かな学識を身に付けます。
人間生物学系専攻
医学をより深く追求するため、生体の構造と機能(制御機構や防御機構を含む)から病原微生物などの外的要因までを対象とし、基礎研究から臨床展開を志向した応用研究まで幅広くカバーする5専攻分野で構成されています。
生体構造医学
構造解析学、機能細胞学および人体・分子病理学の3科目において、人体の臓器・組織の解剖学的研究、細胞・組織の超微細形態の解析、疾患に対する病理学的アプローチまで、主に形態学的観点から人体の構造と病態の解明に挑みます。
生体分子医学
分子生化学、細胞生化学、分子医学、抗加齢医学、再生医科学、生体分子科学および分子生物物理学の7専攻において、核酸やタンパク質の構造解析、細胞の分子機能解析といった基礎研究から、遺伝子治療学、再生医学といった臨床に直接繋がるトランスレーショナル研究まで、幅広く医学研究に取り組みます。
生体制御医学
分子細胞生物学、神経生理学、分子生理学の3専攻科において、遺伝子発現調節機構の解明、中枢神経系への生理学的アプローチ、最新テクノロジーを駆使した分析と統合による生体機能の理解など、生体制御機構の観点から生命現象の実態に迫ります。
生体防御医学
細胞分子薬理学、ウイルス・宿主免疫学、微生物・免疫学、比較動物医学および動物寄生病態学の5専攻科において、分子・細胞レベルでの薬理学的研究、肝炎ウイルスに関する分子生物学・分子疫学研究、細菌感染症発症機構の解明、真核寄生生物に関する総合的研究など、生体防御に関わる多面的な研究を行います。
基礎系総合医学
所属する専門分野の壁にとらわれない発想によって、医学的な疑問を基礎的な研究手法で解決できる能力を取得します。さまざまな専門分野の研究者と相互に交流し、知見を深めることができます。
環境生態学系専攻
関連の講義および演習を通して、外的環境要因および社会制度、医療制度などを含めた情報などを収集・整理し、さらに分析・解析し、統合的に人の健康を守るための手法を見出していきます。この過程を通して、環境や社会などの種々の要因が、地域住民の健康維持増進に果たす役割を理解します。社会制度、医療制度を含めた環境要因による健康影響について統合的な研究能力を養い、広く社会のニーズに応えられる研究者および専門家を育成することを目的とした2専攻分野で構成されています。
環境生態医学
生活習慣や環境汚染物質などの外的環境要因が、人の健康に与える影響について調べるために、人での疫学調査を行うことと、それにより得られた知見を基に、細胞生物学的手法や動物実験により健康影響の発現の機序について解明します。
分子遺伝学的アプローチによる人類の生物学的な多様性の解析を進めていくために必要な知識と技術を習得するとともに、人類における個体差の発生機序と遺伝病の病因を明らかにし、生命現象の本体に迫ります。
保健医療システム学
保健医療の領域で問題となっているテーマを用いて、社会医学的、実験医学的および臨床医学的手法を用いて研究を進め、研究成果をまとめる訓練を行います。関連の講義および演習を通して、外的環境要因および社会制度、医療制度などを含めた情報などを収集・整理し、さらに分析・解析し、統合的に人の健康を守るための手法を見出します。この過程を通して、環境や社会などの種々の要因が、地域住民の健康維持増進に果たす役割を理解し、統合的な研究能力を養い、広く社会のニーズに応えられる研究者および専門家を育成することを目的としています。
専攻 | 専攻分野 | 専攻科 |
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地域医療学系 | 地域医療学 | 地域医療学、感染制御科学 |
総合医学 | 内科系総合医学、外科系総合医学 | |
循環器・呼吸器疾患学 | 心血管病学、心臓血管外科学、呼吸器内科学、呼吸器外科学、分子心血管病態学 | |
消化器疾患学 | 消化器内科学、消化器外科学、歯科口腔外科学 | |
病態機能外科学 | 移植外科学、小児外科学、形成外科学、乳腺内分泌外科学 | |
内分泌代謝疾患・病態解析学 | 内分泌疾患学、代謝疾患学、病態検査学、臨床薬物治療学、放射線診断学 | |
血液・免疫疾患学 | 血液病学、造血発生学、臨床免疫学、炎症免疫学、光病態解析医科学 | |
精神・神経・筋骨格疾患学 | 臨床神経学、脳神経外科学、精神医学、整形外科学、リハビリテーション医学 | |
生殖・発達医学 | 生殖医学、母子保健学、成育医学、発達精神医学 | |
腎尿路疾患学 | 腎臓内科学、腎臓外科学、泌尿性器病態学 | |
皮膚・感覚器疾患学 | 皮膚科学、耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学、眼科学 | |
麻酔・救急・集中治療医学 | 麻酔科学、救急医学、集中治療医学 | |
腫瘍医学 | 放射線腫瘍学、サイコオンコロジー、緩和医学 | |
人間生物学系 | 生体構造医学 | 構造解析学、機能細胞学、人体・分子病理学、病理学(基礎研究医養成活性化プログラム:自治医科大学病理アカデミックレジデントコース) |
生体分子医学 | 分子生化学、細胞生化学、分子医学、抗加齢医学、再生医科学、生体分子科学、分子生物物理学 | |
生体制御医学 | 分子細胞生物学、神経生理学、分子生理学 | |
生体防御医学 | 細胞分子薬理学、ウイルス・宿主免疫学、微生物・免疫学、比較動物医学、動物寄生病態学 | |
基礎系総合医学 | 基礎系総合医学 | |
環境生態学系 | 環境生態医学 | 環境医学、法医学、疫学 |
保健医療システム学 | 産業保健学、衛生行政学、医療管理学、医学統計学、国際保健医療学、公共政策学、シミュレーション医療教育学、データサイエンス学、医学教育学、応用倫理学 |