先輩の声
修士課程
山中 理桜子さん
2022年学習院大学国際社会科学部国際社会科学科入学。2023年、ハワイ大学ヒロ校に留学。心理学、天文学、社会学などを学ぶ。帰国後、データの実証分析に興味を抱く。2025年度卒業論文優秀賞を受賞。2026年4月、学習院大学大学院国際社会科学研究科 修士課程に入学。
研究を経てさらなる意欲が湧き、同じ先生の下で学びたいと国際社会科学研究科へ
この研究科を選んだ理由を教えてください。
一番の理由は、学部時代に行った研究をきちんと続けたいと思ったからです。私は学部在学中に留学をし、帰国後、石川城太先生のゼミに所属しました。そしてグループ研究で初めて取り組んだデータの実証分析に興味を抱き、日本酒の輸出に関する卒業論文を執筆しました。多くの先生方から「おもしろい」と声をかけていただける研究ではあったのですが、解決できなかった課題があり、消化不良のまま進めているという感覚もありました。そこで、やはり石川先生の下でこの研究をもっと進めたいと思い、国際社会科学研究科への進学を決めました。
また、学部卒業後の明確なビジョンが定まっていなかったことも、大学院へ進もうと思った理由の一つです。4年生の3月まで課外活動にも力を注いでいたので、卒業後はじっくりと腰を据えて研究を続けたいという気持ちがあり、周囲の「もっと勉強を続けたら?」という言葉も後押しとなって決意しました。
学習院大学目白キャンパスは、東京の山手線沿線にありながら緑が多く、とても自然豊か。私にとって、こののびのびとした雰囲気も大きな魅力です。
英語×少人数×グローバルな教員陣――ここでしか得られない学びの環境
入学して感じた、この研究科の魅力やアドバンテージは?
履修している科目のほぼ全てが英語で開講されていて、海外経験のある学生も多く、まるで海外にいるかのような環境で学べるのが国際社会科学研究科の特長です。大学院に入ってからは英語で自分の考えを説明する場が増え、自然とトレーニングが積まれていく感覚があります。
また私の場合、授業あたりの学生が1〜4人ととても少なく、細やかな指導を受けられるのも魅力です。教員や事務の方との距離も近く、安心して学べる環境が整っています。授業では一方通行にならず、「これを説明してみて」といったやり取りも多く、「わからない」「知りたい」が素直に言える雰囲気は、この少人数制ならでは。誰もが物おじせず自由に発言でき、先生方も学生の声をとても丁寧に拾ってくださいます。
国際社会科学研究科の先生方は、その多くが海外で学位を取得されています。私が師事している石川先生も、ご自身の研究が国内外で認められているのはもちろん、数多くの学会やコミュニティに積極的に参加され、とてもお顔が広いです。そのフットワークと知識の豊富さは本当にすごいなと。そういった先生方に学べる環境が大変ありがたいですし、学生の小さな疑問や気持ちも見逃さず、学びへとつなげてくださることに感謝しています。
日本酒の輸出について、日本産ウイスキーと比較しながら精緻に研究
研究テーマについて教えてください。
日本酒の輸出における特異性について研究しています。日本酒は国産の米を使い、日本で醸造されなければ日本酒と呼べません。この特性をふまえ、学部時代に行った研究では、ユネスコ(国連教育科学文化機関)基準による“文化財”と、日本酒の輸出との間にある相関について論文にまとめました。日本産ウイスキーと日本酒を比較したところ、文化財=日本産ウイスキーにはない関係が、文化財=日本酒にはあることを発見。グローバル・スタンダードなウイスキーと異なり、日本の文化的魅力が、日本独自のお酒である日本酒の輸出に、より強い影響を持つことを定量的に分析しました。
ただし、この研究には“内生性”という課題が残っています。日本の文化的魅力が日本酒の需要を高めているのか、それとも日本酒が売れている国だから“文化財”も売れているのか。あるいは別の要因があるのか…。現時点では因果の方向性を明確にできていません。この点をより精緻に解明することが、修士課程での研究課題です。
国内では高齢化や原料の高騰により、日本酒の生産量はピーク時の4分の1ほどまで減少しているのですが、海外輸出は増加しています。今後の日本酒の生きる道に、この研究がつながればいいなと思っています。
“経済社会の文法”を胸に、伝える力と純粋な学びへ
修了後の目標をお聞かせください。
石川先生は「経済学は経済社会の文法」とおっしゃっています。文法なしに正確な言語表現ができないように、経済学の知識なくして社会の動きを論理的に理解・説明することはできない、という言葉です。この言葉を胸に、国際経済学を中心に理論とデータ分析の両方の知識を深め、社会を正しく読める人になりたい、というのが目標の一つです。
もう一つは、“聞き手に伝わるプレゼンテーション”を極めることです。どれだけ中身が充実していても、聴く方に届かなければ意味がない。先生のその姿勢に共感し、笑いが生まれる瞬間を意図的に設けたり、最初の一言で引き込んだり、スライドビジュアルを丁寧に整えたりするなど、工夫を積み重ね、「聞いてよかった」と思ってもらえるプレゼンテーションができるようになりたいと考えています。
また、私は「将来研究者になりたい」や、「資格のために」といった明確な必要性を感じて大学院に進んだわけではありません。同期には大きなビジョンを持つ優秀な仲間もおり、気後れすることもあります。それでも学びへの純粋な興味があれば、大学院進学の十分な理由になると思っています。特別な目標がなくても大学院を選んでいい――大学院への進学を迷っている方には、「それでいいんだよ」とお伝えしたいです。
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