大学院の学びや研究は、専門的かつ高度な内容です。単位の修得には、講義だけではなく、予習や復習が重要です。専攻によってはフィールドワークや実習などまとまった時間を要するものもあります。
特に近年、大学院に進学する社会人が増えていますが、忙しい仕事の傍ら、どのようにして通学時間や学習時間を確保するかは大きな課題です。修士課程の場合は2年間、平日の昼間に大学院に通うのは難しいという人もいるでしょう。ここでは、特に社会人でも可能な大学院での学び方を検討してみましょう 。
中途・経験者採用の増加や、職務内容などを限定して採用するジョブ型雇用の拡大など、日本型の雇用システムが転換期を迎えつつある中、大学院は高度なリスキリング教育の場としての役割があります。大学院で再教育を受けたいと考える社会人は多く、そのニーズは高まっています。そのため、専門的な教育を希望する社会人向けに学位以外の修了証を授与する履修証明プログラムを実施している大学院があります 。また、1年間で修了可能な課程を用意している大学院もあります。
大学院の社会貢献の一環として教育研究の成果を広く社会に提供するため、学位課程より短期間のプログラムを主に社会人等の学生以外を対象に提供するものとして創設されたのが、履修証明プログラムです。プログラムごとに定められた基準を満たした学生には、特色あるプログラムの修了証が授与されます。そのプログラムで扱う分野における専門的知識を兼ね備えた人材として、社会に強くアピールすることができるでしょう。
1年制コース・1年生プログラム専攻分野の特性により、特に必要があると認められる場合は1年以上2年未満でも修士課程や専門職学位課程を卒業が可能な場合があります。世界規模での競争が激化しており、社会の要請を受け、各分野において指導的な役割を担う高度の専門的知識・能力を有する人材の養成、社会人の再学習に対する期待が一層高まっているため、制度化されたものです。 |
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長期履修制度長期履修制度は、学習時間等の制約がある社会人が、職業上必要な知識や能力を修得するために入学することを前提にした制度です。仕事の忙しさなどを考慮し、あらかじめ長期の教育課程を編成して標準修業年限を超えて履修できるのがメリットです。長期履修制度は長期履修を前提としているので、留年とは異なります。学費においても、たいていの大学院は、修業年限分の授業料総額を学生が在学を希望する年限で分割して納めることができるようになっています。 |
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大学院は、教育上必要と認められる場合、同一学部において昼間及び夜間の双方の時間帯において授業を行うこと(昼夜開講制。一般に、同一学部に「昼間主コース」と「夜間主コース」とを設置する例が多い)ができます。社会人が在職したまま大学院の正規の授業を受けやすいよう昼夜開講制をとる大学院も増えています。
土日・夜間開講昼間に働く社会人のために、平日の夜間や週末を活用した大学院が増えています。授業数を確保するため、土日に集中講義を行うケースもあり、例えば、土曜日に朝から夜まで講義を集中的に行い、日曜を休みにする方式や、祝日や夏休み期間を利用して補講を行う方式などがあります。 |
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駅前・サテライトキャンパス忙しい社会人でも通いやすいよう、キャンパス以外の交通の便が良い場所に教室を設置している大学もあります。都市部で各大学が独自に設置するタイプのほか、複数の大学が連携して共同利用するタイプもあります。例えば、京都市と周辺の約50大学が加盟する「大学コンソーシアム京都」は、京都駅のすぐそばに共同サテライトキャンパスを設けています。 |
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