先輩の声

人間学研究科子ども人間学専攻
上田敦史さん
2011年に東京農業大学造園科学科を卒業した後、IT企業の営業を経て、
2014年宮崎放送アナウンス部、2018年熊本放送、2021年フリー転身。
スポーツ実況やTBSテレビ『ひるおび』リポーターを担当。
アナウンサー業と並行して学校法人道灌山学園で主幹業務を兼任。
家業とマスコミ経験から芽生えた幼児教育環境への課題意識
この研究科を選んだ理由を教えてください
祖父が道灌山学園の創業者で、母は幼稚園の園長など経営に携わっていることが幼児教育との接点でした。またアナウンサーの経験から言葉の力を強く感じたため、社会人入試を実施している人間学研究科子ども人間学専攻を選びました。学部では幼児教育と全く関係ない分野を勉強していましたが、家業のことやマスコミ経験から教育環境を取り巻く様々な課題と解決策を先生方に強く訴えたところ、勉強する機会をいただけました。
面接で深めた幼児教育への理解
どのような入試対策をしましたか
対策としては面接に焦点を置いていました。私が大学の際に勉強していた造園と結びつけて”園庭の環境整備”についてエピソード展開するか、もしくはアナウンサーとしての仕事を通して感じた言葉を大切にする幼児教育について話を展開するか、などいくつか話を用意して自分の学びたいことに結びつけていく、といった対策を立てました。結果的に、入試を受けた頃は新型コロナウイルスの感染症拡大期だったので、保育士や幼稚園教諭の重要性について報道されていたこともあり、時事に結びつけて幼児教育の在り方について面接の際に先生と語っていました。もう面接というよりかは、その時点で大学院の講義を受けていた感覚に近かったです。
現場とつながる学びの環境
入学して感じた、この研究科のメリットやアドバンテージを教えてください
入学して真っ先に感じたメリットとしては、実際に現場で主任として働いていたり、経営に携わっていたりする同級生や先輩と情報交換ができるという点がありました。その情報交換を通して、幼児教育に熱心な自治体はどこかとか、ここの幼稚園・保育園が注目されているだとかを知ることができたため、それが回り回って授業を理解する助けになったり、自分の仕事に直接関わってきたりするなど、刺激を受ける機会が多かったと感じます。また他業種から学び始めた私にとっては、いち早く業界のことを知るための近道になったと思います。
討論型授業が導く研究の視点
授業・研究の面白さはどこにありますか
大学や専門学校などで保育系の勉強をしていなくても、保育を取り巻く問題や自分が直面した問題について議論を交わすことができる点がこの研究科ならではの授業形態だと感じています。ただ、一般的な授業と大きく異なり、討論型授業に臨める点が面白いところです。答えがない問いに対して、院生や先生の考え方に触れるだけで刺激を受けることがあり、そこに魅力があると思います。討論型の授業において、ある程度の答えを見つけるというプロセスを繰り返し経験していくことで、後々、研究活動に結びついていくのだと研究中に気付きました。
学びは“趣味”と思えば続けられる
仕事と両立するコツを教えてください
仕事と勉強の両立と捉えてしまうと、とても重々しく感じるかもしれません。実際、大学院に入られる方は主任や管理職の方が多いので日頃の仕事に忙殺されている人がほとんどですが、朝の時間を上手に使ったり、仕事を定時で切り上げて帰りがけの時間に大学院で課題に取り組んだりと、みなさん時間を有効活用されていました。私自身、仕事と勉強の両立にはとても苦労しましたが、モチベーションを持ち続けられたのは、大学院での勉強は「ちょっと高度な趣味」と考えるようにしたからです。講義の中には毎回課題が出る授業もあるのですが、その講義の際は日頃できなかった読書の代わりに課題で出されている本を読むことによって昇華していました。